ウイスキー

[レビュー]イチローズモルト & グレーン ホワイトラベル

昨年末、近くの信濃屋で見つけて購入していた1本。ネットでは高騰しがちですが、3400円ほどで購入できました。ちなみに、秩父市へのふるさと納税2万円で返礼品としてもらうこともできます。以前ブログにも書きました。
→まだ間に合う!?ウイスキー好きのためのふるさと納税

イチローズモルトといえば、現代のジャパニーズウイスキーの立役者とも言える肥土伊知郎氏の名を冠した、知る人ぞ知るウイスキーブランド。秩父蒸溜所をめぐるストーリーは有名で、ウイスキー好き、ジャパニーズウイスキーを応援する者にとってはたまらないものがあるんですよね。ただ、もともとの流通量が限られている上、国際的な評価も高いためいずれの銘柄も品薄傾向にあります。ホワイトラベルの上位モデルとして位置付けられていたプレミアムブラックという銘柄があるのですが、既に終売しており、2018年1月現在売り出し時の10倍近い価格で取引されているようです。そんな状況の中でも、このホワイトラベルは比較的入手しやすく、また価格的にも手を出しやすい一本となっています。

さて、このホワイトラベルですが、秩父蒸溜所のモルトをキーモルトに、世界の9蒸溜所のモルト原酒と2蒸溜所のグレーンウイスキーをブレンドして仕上げた銘柄となっています。イチローズモルトのラインナップの中では最も手に入りやすい銘柄ですが、ノンチルフィルター(冷却濾過)、ノンカラーで、コルクキャップを採用しており、ウイスキーへのこだわりが十分に感じられます。ボトルの裏のラベルには世界地図とロットナンバーが入っています。ロットによって、味わいが異なるというのもホワイトラベルの特徴だそうです。

肝心の香り・味ですが、不慣れながらもレビューしてみたいと思います。

パッケージ

世に数多あるウイスキーレビューブログですが、本職が印刷がらみなこともありますので、当ブログではパッケージデザインにも言及していきたいと思います。バー飲みのパッケージレビューでは難しそうですが…
ともかくパッケージデザインも、ウイスキーの印象を左右する重大な要素ですよね。

さて、ホワイトラベルのパッケージを見てみると、表面のラベルはその名の通り白いラベル。黒+金の特色のシンプルな印刷に、金の箔押し(ツヤあり)。裏面のラベルは黒のみのラベルにナンバリング。このナンバリングはロットを表しています。
上で言及したキャップには、天面にイチローズモルトのブランドロゴがエングレービングされています。焼印ではここまで綺麗に細い線の表現が出なさそうなので、レーザー加工でしょうか?ちょっと凹んでるし。

色・香り

色は明るい黄金色。バーボン樽っぽい樽香に、スモーキーさが混じっています。若干オレンジピールっぽいニュアンスがあり。46度と度数が高めなためか、アルコール感も感じます。時間を置くと、カラメル、バニラっぽい甘い香りが出てきました。

味わい

口に含むと、モルト、バニラ感に、スモーキーさが付いてきます。香木っぽい味わいがあり、これがミズナラ樽の特徴なのだろうかと感じさせられます。このあたりは断言するにはまだまだ経験値不足…
度数の高さゆえか、ドライでスパイシーな余韻があります。後味は若干バーボンっぽい甘みが残るが、すっと引いていきます。
加水するとスムースな味わいになり、香木のような香りが引きたちます。甘みが前面に出てきますが、心地良いドライさ、スパイシーさは残ります。

ストレート、トゥワイスアップで飲んでも、シングルモルトに負けない個性、飲みごたえのあるボトルだと思います。

ハイボールにしても個性のある香味が残っています。冷やすことによってなのか、苦みや渋みも余韻となって出てきますが、それが食中酒としてはちょうどよく、食事に合うことをコンセプトにつくられてきたジャパニーズウイスキーの最前線を体感しているようで嬉しくなります。

まとめ

熟成年数の若さは感じるものの、イヤな刺激はなく、しっかりと個性を持ったブレンデッドです。この価格帯になると、スコッチのシングルモルトも競合に上がってきますが、マトモな価格で手に入ることを前提とすれば十分に戦えるのではないかと思います。
気鋭のイチローズモルトの味わいを試してみるのにはぴったりの1本ではないでしょうか。

テイスティングにはこちらのグラスを使用しています。スコットランドの多くの蒸溜所でも実際に使用されており、価格もリーズナブルなのが嬉しいです。

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