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【人柱レビュー】世界初のスマートスーツケース、Bluesmartを買ってみた。後編

前回の続きです。世界初のスマートツースケースを謳う、Bluesmartを自腹レビューしていきます。

では、早速Bluesmartのディティールを見ていきます。

Bluesmart_port

本体裏側にはUSBポートがついています。ハンドルを収納していると干渉するので、使用する際はハンドルを引き出す必要があります。
左から、ペアリングボタン、USB(Output)、Mini USB(Input)の順です。
ハンドルはテーマカラーの鮮やかなブルーになっています。

Bluesmart_top

天面。
ここでラップトップ等が収納できるフロントポケットのフラップを本体にロックします。ここをロックしているとフラップが干渉し、本体のファスナーが開けなくなる仕組みになっています。フラップを開ける際はロックを解除し、ロゴ上部のボタンを押してリリースします。
ロックはTSA準拠です。Bluesmartの売りのとおり、アプリからON/OFFできます。TSAへの対応と、バッテリー切れに備えて物理キーもついています。
フラップ部分はナイロンなので、本体ごと盗まれて切断されればそれまでですが、フラップを開けて中のラップトップを抜き取られるという心配はなくなります。

Bluesmart_key

フロントにはファスナーで開け閉めできるポケットがついており、そこにキーが2つ入っていました。
すぐに取り出したいEチケットのコピーなどはここに入れておくと良さそうです。

Bluesmart_flap

フラップを開けると、こんな感じでフロントポケットが開きます。
中は間仕切りが入っており、ラップトップやタブレット等を収納できます。本体側の仕切りは起毛素材になっており、ラップトップに傷がつきにくそうです。
サイズ感ですが、MacBook Pro 13”を下のケースに入れて収納しようとすると、なかなかキツめでした。15”サイズくらいになってくると、収納にかなり苦労するかもしれません。

ちょっとかさばりますが、安心感はあります。

Bluesmart_flap_inside

かなり見づらいのですが、フロントポケット内にはUSBポートが入っており、ここから給電できます。外側のポートと合わせて、同時に2つのデバイスが充電できることになります。

Bluesmart_open

本体を開けるとこんな感じ。
内装もやはりテーマカラーのブルーです。
右側がケース本体の収納部分、左側にもファスナーがついていますが、こちらはフロントポケットの裏になるため、スペースはあまりありません。

Bluesmart_accessories

右側のポケットには本体充電用のUSBケーブルとマニュアルが入っています。
USBケーブルもブルー。

Bluesmart_inside

本体内部はこんな感じ。ライニングが入っていますが、ハンドル収納部のでっぱりがわかります。
荷物をうまく詰めるには少々工夫が要りそう。

Bluesmart_liningoff

ライニングを外すと内部がむき出しになります。
本体上部にバッテリーがついており、そこからケーブルがフロントポケット側に伸びています。ここの剛性は少々心配。
また、背面の足を裏留めしているネジが養生されていますが、どうも適当に貼った感が…

Bluesmart_label

底面には定格銘板ラベルが貼ってあります。ウェブサイト上ではバッテリー容量10,000mAhとなっていますが、ここでは10,400mAh, 定格電流3.8Vとなっています。Inputは5Vで2A、Outputは5Vで1A、最大2Aとなっています。
こちらのモバイルバッテリーのOutputは最大3A。残念ながらパワー不足は否めません。

安定のAnker。

Bluesmart_wheel

ホイールは中央が空洞になっているデザインで、ちょっと未来感があります。
欲を言えば、ブルーの部分の質感がもう少し欲しいところ。
製品寿命を左右する部分なので、耐久性にはもっとこだわってもらいたいというのが正直なところです。空港内の預け荷物のハンドリングは思った以上にダイナミックなので、ぶん投げられて当たりどころが悪ければ簡単に付け根が折れそうです。

Bluesmart_frontled

さて、ここで本体を充電してみます。
USBケーブルをつなぐと充電開始。フロントのLEDが青白く光ります。

Bluesmart_topled

天面のLEDも青く光ります。
ちなみに、この天面のLEDはBluesmartの状態やバッテリー残量を表しており、消灯することができない模様。バッテリー残量が十分な時は緑、バッテリー残量が少ないと赤、スマホとペアリング中は青、充電中は白といった具合です。わかりやすいといえばわかりやすいのですが、夜間も点滅し続けるので正直うるさい。また、搭乗の際も訝られそうです。
公式に問い合わせてみたものの、天面のLEDは消灯できないとの回答。フロントのLEDはアプリ経由で消灯できるので、ここは対応して欲しかった。

IMG_2852

では、App storeからBluesmartアプリをダウンロードします。Android用のアプリも用意されています。
ログイン画面。
まずはメールアドレスとパスワードを入れてサインアップ。

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その後、本体とスマホをペアリング。背面のボタンを押して、ペアリングを開始します。
通信規格はBLE (Bluetooth Low Energy)とのこと。本体のバッテリーから電力が供給されています。そのためバッテリーが完全になくなると通信不可になるので注意。
ちなみに、アプリの画面をキャプチャすると、フィードバックを送る・バグを報告するといった選択肢がポップアップします。

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接続成功。ホーム画面はこんな感じ。
カギのアイコンでロックとアンロックの切り替えができます。
また、バッテリー残量、重量チェック、ロケーションのアイコンが並んでいます。
ロケーションアイコンをタップすると、Apple純正のマップを組み込んだUIでBluesmartの位置がわかります。自分のは住所までバッチリ出てました。
公式によればBluesmartはGPSと3Gで位置情報追跡可とのことですが、ペアリングしてない状態でどのように位置追跡されるのかは未検証。

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Bluesmartに接続されると、バッテリー残量が同期されアプリ上に表示されます。ちなみに、この後いくら充電しても残量なしの表示から変更されず…
公式に問い合わせたところ、アプリ上の問題で、同様の問題が発生しうることを認識している、クリスマスまでにはアップデートを予定している、とのことでしたが…さて。

IMG_2854

右上のメニューから、設定変更ができます。
上からフロントLEDのON/OFF、重量単位のポンド/キロ切り替え、Bluesmartから離れた際のオートロック、近づいた際のオートアンロック、プッシュ通知、Bluesmartから離れた際の通知です。

IMG_2856

Bluesmartの売りのひとつに謳われている重量チェッカーは、メニュー上のアイコンから立ち上げます。ハンドルを持って本体を持ち上げた状態で、画面中央をタップ。

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計測が始まり、重量が表示されます。

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試しにもう一回。あれ…200g増えてる。

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もう一度。さらに増えてしまいました。最初と比べて600g増。
この測り方ではどうしてもそこまで精度が出せないのかもしれません。ここは改良を求めたいところです。

IMG_2891

ホーム画面のカレンダーアイコンをタップすると、フライトを検索できます。

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試しにANAの成田発 Washington DC行きの便を検索してみます。

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フライト詳細を取得して、登録することができます。

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同じ要領で復路も登録してみました。
今後控えているフライト情報が集約されるので、乗り継ぎが多い出張の際は重宝しそうです。

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フライトを登録すると、直近のフライト詳細がホーム画面にも表示されます。

 

さて、ここまでBluesmartのディティールと機能を紹介してきましたが、実はその後全くバッテリーが反応しないという不具合に見舞われました。天面のLEDがうるさいなと思っていた矢先、ある日突然LEDが消灯。その後いくら充電を試みてもバッテリーに反応なしといった具合です。

12月末にこの問題が発生。少し前に天面LEDのON/OFF切り替えについての問い合わせメールをサポートに送っていたので、それに重ねる形でメールにてクレームを入れました。
2週間ほど経っても反応がなかったため、ウェブサイト経由でリマインダを送付。翌日、新しい製品をすぐに送るので待ってほしい、トラッキング情報を送ってから7~10営業日で到着を予定している。現在手元にあるBluesmartの返品方法は後から追って連絡する、とのことでした。
それから1週間が経とうとしていますが、今のところ続報はなし。もう少し様子を見て、この状況が続くようであれば次のアクションを打ちたいと考えています。

結果として、文字通り人柱レビューとなってしまいました。正直なところ、現段階での購入は決しておすすめできません。既に米国AmazonではBluesmartの販売が開始されていますが、レビューは2.7と炎上気味です。内容を見てみると、星5つと1つの両極端に分かれており、星1つのレビューについても、コンセプトは非常に良いが、ディティールが追いついていない、期待を満たしていないといった内容のレビューが多く見られました。期待が大きかっただけに、高くなりすぎたハードルを越えられなかったという面もあるように思います。これはクラウドファンディング全般の課題とも言えるかもしれません。

一方で、スーツケースに新たな機能を付加するという試み、それを実際に実現したこと、サポート意識(追いついてない感はかなりありますが…)は評価に価するのではないかと思います。これからの改良を期待したいですし、今後他のメーカーやスタートアップもこうした製品を発表してくるでしょう。結果として、旅がもっと快適に、楽しくなるケースの選択肢が増えてくれればなによりです。

Bluesmartとのやりとりについては、追って報告していきたいと思います。

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